低用量ピルは毎日、決まった時間に服用する事で避妊の効果があります。卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2つの女性ホルモンが含まれていて、この2つの女性ホルモンが脳下垂体に働きをかける事で、卵胞を成熟させるホルモンの分泌を抑える働きをします。主に、避妊を目的として使用される低用量ピルですが、実はその他にも女性にとって、強い味方になってくれる副効用も持ち合わせています。
女性にとって生理に関する悩みは辛く、症状が強い人の中にはPMSに悩んでいる人も多くいます。PMSは仕事や日常での家事などの効率も落としてしまう上、気持ちの負担も大きくなります。低用量ピルにはPMSにも効果的な副効用があるのです。
避妊以外の低用量ピルで得られる、様々な副効用
低用量ピルを服用し始めると、ホルモンバランスを整えてくれることで毎月の生理が決まった日に来るようになります。その為、生理周期が規則正しくなるという副効用をもたらしてくれます。そして個人差はあるものの、低用量ピルを飲み始める事で生理時の出血の量が減少します。他にも、肌トラブルやニキビなどの改善という副効用を得られる女性もいます。
PMSの辛い症状が軽減する副効用
生理が始まる約1~2週間前あたりから症状の出やすいPMSに悩む女性は、毎回症状が出るという女性が40.1%、時々症状が出るという人でも51.9%もいます。ナイーブな問題でもある生理の悩みは、友達同士でもなかなか相談しにくく、一人でPMSの辛い症状を抱えているという女性も多くいるでしょう。
代表的なPMSの症状には、イライラ・腹痛や下腹部痛・頭痛や頭が重く感じる・眠気・胸の張りや痛みなどがあります。これらのPMSの症状は、排卵の前後に起きるエストロゲンとプロゲステロンが急激に変化することで起こると言われています。低用量ピルには、このエストロゲンとプロゲステロンに似た作用を持つホルモンが含まれています。低用量ピルを服用する事で排卵を制御させて、ホルモンの波が一定化するという働きがあります。
PMS改善の為に、低用量ピルの服用を勧められるケースも
PMSの症状で最も辛いのは女性本人ですが、一緒に暮らす家族や周囲の人も辛い思いをする事もあります。イライラの症状が強い時には気持ちのコントロールも難しくなってしまい、身近な人に当たってしまうなんていう事もあります。仕事や家事などの効率も落ちてしまい悩みを抱え、クリニックや病院を訪れる女性も近年では、多くなってきました。そうしたPMSの症状改善の為に、低用量ピルを勧められるケースもあります。問診や血液検査などを行い、その後に低用量ピルの飲み方などの説明を受けた後に処方されます。
低用量ピルに副作用は無いの?
始めて服用を考えている人の中には、副作用は無いのかな?と不安を持つ女性もいる事と思います。低用量ピルの服用開始後1~2か月の間に副作用は起きやすく、副作用の症状には個人差があります。主な副作用の症状には、吐き気・倦怠感・頭痛・不正出血・胸の張りなどがあります。けれどこれらの副作用の症状は、通常1~2か月も経てば軽減されていきます。
低用量ピルは血栓症のリスクも高めてしまう事もありますが、安心して低用量ピルを服用していける様に、ほとんどのクリニックや病院では定期的に血液検査が実施されています。服用していて心配な事や気になる副作用の症状なども、服用を続けながら相談する事が出来ますね。
ホルモン量が低めの低用量ピルは副作用も減ってきている
現在、日本で認可されている低用量ピルに含まれているホルモン量は、低めに抑えられています。その為、開発当時の昔に比べると副作用の発生率も少なくなってきています。副作用を把握し、副作用が発生しても通常1~2か月で軽減していくという事を知っておけば、不安や恐怖心なども和らげる事が出来ますよね。それに副作用のデメリット以上に、辛いPMSの症状を軽減できるなどの低用量ピルの持つ副効用というメリットが得られるという事は、きっと女性の体や心にとって強い味方になってくれると言えるでしょう。
低用量ピルには、乳房良性疾患の減少・卵巣がんの減少・骨盤内完成症の減少・子宮外妊娠の減少などの副効用もあります。人によっては副作用の症状が出る事もあり、低用量ピルは保険適応外ではありますが、副効用からは大きなメリットも得る事が出来ます。
女性にとっての強い味方となる存在と言えます。PMSなどの症状が軽減される事で、生理前後の時期にも仕事を頑張る事も、毎日の家事も、友人や恋人との外出などのプライベートなども普段の自分のまま過ごす事が出来ます。
正しい知識と、正しい服用で安全に、低用量ピルと付き合っていく事が出来ます。副効用によって辛かったPMSの症状から解放されれば、生理周期特有のストレスも減っていき生理が近づいても憂鬱にならずに、快適に毎日を過ごしていける事が出来るようになれるでしょう。