生理(月経)は、初潮を迎えた健康な女性で妊娠していなければ、閉経を迎えるまで毎月のように来ます。
生理は出血が何日も起こるだけでなく、人によっては生理痛やPMS(月経前症候群)といった辛い症状とも付き合わなければいけません。
生理のせいで楽しみにしていた予定をキャンセルしたり、大事なイベントに影響が出たりなんてこと、経験ありませんか?
実は生理が大事な予定に影響しないように、低用量ピルで生理日をずらすことができるのです。
日本人女性ではピルを使用している割合が非常に少ないと言われていますが、「ピル=避妊」だけではないということを多くの女性が知ると、ピルを飲んでみたいと思う方が増えるでしょう。
なぜピルで生理日がずらせるの?
ピルでなぜ生理日が変更できるのかを知るには、低用量ピルのメカニズムを知る必要があります。
生理は子宮内膜がはがれることで起こります。
子宮内膜は排卵後に急増するプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で増殖します。
ピルは女性ホルモンに類似した成分を含む経口避妊薬です。
ピルを服用すると体内の女性ホルモンバランスが人工的に調整されて、服用している間はピルの作用によって、子宮内膜を子宮に留めておくことができるのです。
ピルで生理日をずらすメリット
低用量ピルで生理日を前や後にずらすことは、幅広い女性にとってメリットがあると言えます。
仕事が忙しいビジネスウーマンであれば、大事なプレゼンや会議の日に生理になってしまって体調をくずしては困りますよね。
そういう日に生理が来てしまいそうであれば、ピルを飲んで生理日を遅らせることができます。
アスリート女性であれば、大事な試合の日に生理になってしまうとコンディションがうまく整えられないかもしれません。
実際にピルを服用して試合に備えるアスリートは多いのです。
他にも、デートの日や旅行の期間中など、生理が来てほしくないという日は存在します。
低用量ピルがあれば、簡単に生理日をずらすことができるのです。
初めて低用量ピルを服用する場合に生理日をずらす方法
前にずらしたい場合
生理日を早めたい場合は、生理5日目から服用を開始します。
生理が来てほしい日の3日前に服用を止めると、その後2~3日ほどで生理が始まります。
ここで注意して頂きたいのは、服用期間が短すぎると子宮内膜が十分に厚くなっていないために、出血が起こらない恐れがあります。
最低でも10日間はピルを飲み続けてください。
後にずらしたい場合
生理日を後ろ倒しにしたい場合は、生理予定日の5日前に服用を開始します。
生理が来てほしい日の3日前に服用を止めると、その後2~3日程度で生理が始まります。
生理日調整以外にもピルにはこんなメリットが!
低用量ピルは避妊目的で使用する方が大半を占めていると思われますが、今回ご紹介したように生理日を調整することが可能です。
さらに嬉しいことに、ホルモンバランスの影響で肌が綺麗になったり、場合によってはバストアップや髪の毛にツヤが出たりするんだそうです。
また、月経痛やPMS(月経前症候群)の緩和や子宮内膜症・卵巣がんといった病気の予防にもつながります。
これらのメリットを受けるためにも、ピルを上手に使いたいですね。
ただし、ピルはホルモンを含むお薬ですので、人によっては副作用を感じることがあります。
吐き気や嘔吐など、体調が悪くなった場合は医師に相談することをお勧めします。